問題管理とは?

問題管理とは ITSM フレームワークのコアコンポーネントであり、根本原因や潜在的な IT インシデントを特定して管理するためのプロセスです。

問題管理では、予防策を取り、根本原因を見極めながら問題を特定して管理し、将来の問題を防止します。構造化されたワークフローを使用して根本原因の診断と問題の修正を実行し、インシデントの再発をなくし、予定外の中断の影響を最小限に抑えます。問題管理は、サービスに影響する問題の根本原因を特定するとともに、問題を未然に防ぐこともできます。

問題管理は、適切に実行した場合、複数のメリットがあります。

サービスの継続的な改善

問題の修正に時間をかけて、パフォーマンス低下を防止し、将来的にサービスを中断させる問題が発生しないようにします。問題と他のすべての ITSM プロセスをシームレスに連動させることで、問題を予防的に緩和して、インシデントの再発をなくすことができます。

コストのかかるインシデントを回避

問題の結果発生するインシデントに適切に対応しないと、企業にとって多くの時間とコストがかかる場合があります。一方、効果的な問題解決によってインシデントを低減すると、多額のコストを削減できるだけでなく、サービス、製品、企業の評判にダメージを与える前に重大な問題を防ぐことができます。

生産性の向上

問題を予防して、問題の対応に時間とリソースを消費しなくて済むようになると、企業の生産性は向上します。

解決までの時間を短縮

チームが問題の分析に関連したベストプラクティスを利用すると、サービスの中断に迅速、正確に対応し、ダウンタイムを防止できます。構造化問題分析を使用して問題を関連付け、ワークフローを調整して、最短ルートで根本原因にたどり着くことができます。

根本原因から教訓を得る

問題解決を効果的に実践することで、チームはインシデントから継続的に学習できます。

顧客と従業員の満足度向上

問題が少ない方が顧客と従業員の満足度は高くなります。何か問題があり、特に同じ問題が絶えず発生する場合は、忍耐が続きません。

サービスの復元をスピードアップ

既知のエラーや、IT スタッフが確立したワークアラウンドを可視化することで、サービスにはメリットがあります。

サービス中断を最小化

チームは、重大事に発展する前に問題を検出して、ダウンタイムとサービス中断を防止できます。IT 部門は、サービスパフォーマンスと設定に関する組み込みのダッシュボードを予防的に使用できます。

根本原因の解決を促進

IT チームは問題を関連付けてワークフローを調整して、構造化問題分析を作成できます。インシデントとそれに関連する変更が一緒に表示されるため、IT 部門は速やかに対応してソリューションを提供できます。

問題管理とナレッジ管理の比較

ナレッジ管理では、インシデントと問題に関連したドキュメントとソリューションのリポジトリを作成します。ナレッジ管理は問題解決に利用できます。既知のエラーを文書化して、1 回のクリックでナレッジベースに既知のエラーに関する記事を生成できれば、将来問題が再発した場合に修正の時間と労力を削減できます。

問題管理とインシデント管理の比較

問題からは、1 つ以上のインシデントが発生する場合があります。問題管理とインシデント管理には重なり合う分野がありますが、大きな違いが存在します。最近の環境ではサービス中断が発生しても、ロールバックしてサービス中断のインシデントを解決できます。ただしロールバックを実行してもインシデントの原因となった問題は解決されず、基になった問題はまだ存在しています。

インシデント管理の方がタイムラインは短く、その主な目的はインシデントを解決してサービスを元の状態に戻すことです。問題管理の方がやや複雑で、長期にわたり、インシデントの下に潜むもの、インシデントの発生理由、インシデントの再発防止策を特定します。

問題管理と変更管理の比較

変更管理では、サービス中断を発生させない変更の計画、追跡、リリースのプロセスを定めます。万一変更によって中断が発生した場合は、問題管理プロセスで変更を分析します。変更管理は、体系的なアプローチによってすべての変更のライフサイクルをコントロールし、IT サービスの中断を最小限に抑えつつ有益な変更を促します。

問題を予防的に検出

インシデントが発生する前に問題を特定して、修正するか、ワークアラウンドを見つけ出します。

カテゴリ化と優先順位付け

既知の問題を追跡して把握することで、チームの準備を整えて最重要問題に取り組みます。

ITIL 問題解決プロセス

調査と診断

問題の原因を特定し、問題修復のための最善の行動方針をまとめます。

既知のエラーレコードを作成

問題に関する情報を記録しておくと、万一問題がインシデントに発展した場合でも、ダウンタイムを短縮できます。エラーレコードを作成することで、インシデントや問題の影響を軽減するために準備したワークアラウンドの情報を保持できます。

必要に応じてワークアラウンドを作成

問題の影響を軽減する一次的なソリューションを常に検討し、問題がインシデントに発展するのを防ぎます。ワークアラウンドは理想的な方法ではありませんが、簡単に特定できない問題が発生した場合にビジネスへの影響度を抑制できます。

問題を解決してクローズ

問題をクローズして排除すると、インシデントは再発しません。

重要な問題を検証

時間をとって問題の解決方法を検証し、問題が完全になくなるようにします。学習内容を記録し、問題が再度発生したときに取るべき予防策を見極めます。

事後対応型の根本原因分析に依存しない

問題の原因は、1 つとは限りません。チームは、単に 1 つの要因を事後に特定するのではなく、考えられるすべての要因を検討する必要があります。

オープンな環境を促進して問題を共有する

チームのメンバーは常に率直に対話を行うべきであり、その場合は処罰や懲罰を科すことなく、判明したことや事実の共有を奨励します。

重要なサービスに集中する

最も価値の高いサービスに影響する問題に対処し、それを影響の小さい問題よりも優先します。

質問する

チームのメンバーが互いに質問し合ったり、システムに問い合わせたりする雰囲気を作ります。

ナレッジを広める

チームは常にナレッジを共有し合う必要があります。他のチームがそのナレッジを学習できることが理想的です。

学習を奨励する

たとえ優秀なチームであっても、問題管理に終わりはありません。チームは絶えず学習しなければならず、プロセスを反復して改善し、問題が顧客や他のチームに与える影響度を小さくしていきます。

フォローアップを追跡する

フォローアップを続けるための標準化された方法を開発します。ソフトウェアを活用して、チームのメンバーがタスクの優先順位付け、進捗状況の追跡、問題のフォローアップができるようにします。

ブレインストーミング

利害関係者が集合して、考えられる問題の原因を話し合います。これは、発生し得るサイロをチームでなくす場合に良い方法です。ブレインストーミングには以下が含まれます。

  • 円卓会議
  • 大量のアイデアを短時間に出す
  • さまざまなアイデアを出す
  • 各人が参加して問題分析に貢献する

石川ダイアグラム/魚の骨図/特性要因分析

原因と特性とは、問題とその考えられる原因のことです。この方法では、原因を分析し、原因と特性の関係を定義します。問題の一次的な原因と二次的な原因や、人、プロセス、製品など、さまざまなカテゴリが関わります。

ケプナー・トリゴー問題分析

最初に問題を特定し、その後で説明していく論理的なアプローチです。原因を確定し、テストを実施してから、問題の原因を特定して検証します。

既知のエラー

既知の根本原因やワークアラウンドで文書化されている問題。

既知のエラーデータベース (KEDB)

問題管理によって作成され、既知のエラーの管理に適用される。

問題

1 つ以上のインシデントの原因。通常、問題レコードが作成される時点では、問題の原因は不明です。

問題管理レポート

問題に関する情報を他のサービス管理プロセスに提供するためのレポート。

問題レコード

問題の詳細と、最初に問題を検出したときから解決までの履歴に関する文書が記載された記録。

提案された新しい既知のエラー

KEDB に新しいエントリーを作成する提案。

提案された新しい問題

不審な問題を従業員に警告する通知。さらなる調査につながる場合があります。

提案された新しいワークアラウンド

新しいワークアラウンドを KEDB に追加する提案。

ワークアラウンド

解決策がまだ存在しない場合に、既知のエラーや問題の影響を軽減するために取る一次的な問題のソリューション。ワークアラウンドは、原因が特定できない場合に、インシデントや問題の影響を最小限に抑えるために役立ちます。

問題管理とは、現在の問題や潜在的な問題のライフサイクルを効果的に管理するように設計されたアプローチのことです。問題管理の目的は、インシデントの再発をなくし、将来のインシデントを予防して、防ぐことができないインシデントの影響を最小限に抑えることです。問題管理には、根本原因の診断や、解決するための適切な手順に関する話し合いも含まれます。さらに問題管理は、問題に関連付けられた関連性の高いデータを記録し、それを有効なソリューションとワークアラウンドのデータベースとして利用することで、長期的に効果を改善するようにも設計されています。

ServiceNow は自動化されたワークフローを問題管理に導入しています。このため、マネージャーはソリューションを正確に文書化でき、IT チームは関連する他の懸念事項に集中できます。予期せぬ問題が発生した場合は、構造化されたワークフローを使用しサービスを速やかに復元して根本原因を修復するとともに、ソリューションと解決策を文書化します。IT チームは、単一のクラウドベースのプラットフォームで、インシデントを一元的に確認できます。

最終的には、サービス中断を低減し、問題分析を改善して、長期的に問題の影響を軽減することができます。

原因、インシデント、変更のすべての表示が統合され、迅速な対応とすばやく効果的なソリューションの提供が可能になります。それを実現するのが ServiceNow です。

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ServiceNow® Problem Management は、サービス中断の最小化、サービスのスピードアップ、根本原因の解決促進を可能にします。