インシデント管理とは?

インシデント管理とは、復元できなければ問題につながるおそれのある重大なインシデントの特定、分析、解決のために講じる一連のステップのことです。

インシデント管理では、通常のサービス運用を復元しながら、事業運営に及ぶ影響を最小限に抑え、品質を維持します。

インシデントは、運用、サービス、機能の混乱や喪失の原因となるものとして定義されています。インシデント管理は、企業が問題の分析、特定、修正を実行するために必要なアクションであると同時に、将来のインシデントを防止するために講じるアクションでもあります。

インシデントは、運用を混乱させ、ダウンタイムを引き起こし、データの喪失や生産性低下の原因となるおそれがあります。インシデント管理には数多くのメリットがあり、企業がインシデント管理の手法を真剣に検討することがますます重要になっています。

次のようなメリットがあります。

効率と生産性の向上

IT チームがインシデントへの対応や将来のインシデント回避を改善できる、確立された手法や手順があります。さらに機械学習が、適切なグループにインシデントを自動的に割り当てて、迅速な解決をもたらします。問題解決専用のエージェントポータルから必要な情報すべてを 1 画面に表示し、AI を活用して推奨ソリューションを即座に提供できます。Major Incident Management の専用ポータルでは、適切な解決チームと利害関係者を結集してサービスを復元することにより、迅速な解決に導くことができます。

可視性と透明性

問題を追跡して修正する際に、従業員は IT サポートに簡単に連絡できます。Web やモバイルデバイスを使用して IT 部門とつながり、インシデントの最初から最後までのステータスや、その後の作業をよく把握することができます。直感的なオムニチャネルセフルサービスと透明性の高い双方向コミュニケーションによってエクスペリエンスが向上します。

サービス品質の向上

エージェントは、確立されたプロセスに基づいてインシデントに優先順位を付けることができます。したがってビジネスプロセスの継続を促すことができ、エージェントたちが、IT プロセス用の単一のプラットフォームを使用して、作業を管理してコラボレーションを行うこともできます。同様に、インシデント管理では、適切なエージェントが、IT プロセス用の単一のプラットフォームを使用しながら、作業を管理してコラボレーションを行うことで、サービスを迅速に復元することができます。IT 部門は、高度な機械学習とデータモデルを使用して、履歴データのパターンを学習しつつ、インシデントを自動的に分類して割り当てることができます。

サービス品質に関するインサイトの増加

インシデントは、インシデント管理ソフトウェアに記録することができるため、サービスの時間、インシデントの重大度、回避可能な種類のインシデントが存在するかどうかを把握し、ソフトウェアからレポートを生成して可視化し分析することができます。

Service Level Agreement (SLA)

インシデント管理システムでは、SLA や、それが達成されているかどうかに関するインサイトを提供するプロセスを構築することができます。

インシデントの防止

インシデントを特定して回避した後に、インシデントと必要な対応に関するナレッジをその後のインシデントに応用して、迅速な解決や全般的な防止に役立てることができます。セルフサービスポータルと ServiceNow チャットボットを使用してチケット数と通話数を低減することで、インシデント回避率が上昇します。従業員はインシデントを記録する前に、自分で回答を探すことができ、ユーザーに影響する前に AIOps で問題を効果的に防止します。

平均復旧時間 (MTTR) の向上

プロセスや、過去のインシデントから得たデータが文書化されていると、平均的な解決時間が短縮します。機械学習と状況に応じたヘルプが、インシデントの解決を加速させ、ボトルネックを解消します。AIOps との連携によってインシデントを低減し、平均復旧時間 (MTTR) を短縮して、ノイズの排除、優先順位付け、修正を可能にします。

ダウンタイムの低減や解消

インシデントはダウンタイムを発生させ、オペレーションやサービスの遂行を遅らせたり妨げたりします。インシデント管理のプロセスを適切に文書化すると、インシデントによって生じるダウンタイムを低減するか、完全になくすことができます。

顧客と従業員のエクスペリエンス向上

社内の円滑なオペレーションは、製品やサービスに反映されます。インシデントによるダウンタイムやサービスの中断がなければ、カスタマーエクスペリエンスは向上します。同様に、オムニチャネルオプションを提供して、セルフサービスポータル、チャットボット、メール、電話、モバイルデバイスのいずれでもインシデント報告を提出できるようにすれば、従業員は簡単にサポートに連絡して、インシデント管理で問題の追跡と修正を行うことができます。

インシデントのログ記録

インシデントはソリューション分析によって特定され、ユーザーレポートに記録されます。特定されたインシデントはログに記録され、分類されます。これは、将来インシデントをどう処理するか判断し、インシデントに優先順位を付けるために重要です。

通知とエスカレーション

このステップのタイミングは、インシデントのカテゴリに応じて異なります。小規模なインシデントでも、記録と確認が行われますが、正式なアラートは発生しません。インシデントによってアラートが発生したときはエスカレーションが実行され、アラートへの対処を割り当てられた個人が然るべき手順を実行することになります。

インシデント管理のさまざまな側面を示すグラフィック。

インシデントの分類

識別と対処を簡単にするために、インシデントは適切なカテゴリとサブカテゴリに分類する必要があります。一般的に、分類のフィールドが設定されると分類が自動的に実行され、分類に基づいて優先順位が割り当てられ、レポートがすぐに生成されます。

インシデントの優先順位付け

適切な優先順位は、インシデント応答の SLA に直接影響します。適切な優先順位によって、ビジネスクリティカルな問題にタイムリーに対処し、顧客にも従業員にもサービスの中断が生じないようにすることができます。

調査と診断

インシデントが発生すると、IT チームは分析を実行してソリューションを従業員に提供します。即座に解決できない場合は、インシデントを然るべきチームにエスカレーションして、さらに調査や分析を実行します。

インシデントの解決とクローズ

IT チームは、優先順位を適切に設定して、できる限り迅速にインシデントを解決する必要があります。チケットの解決とクローズには、コミュニケーションを役立てることができます。自動化もチケットの解決に役立つ可能性があります。インシデントの解決後にも、インシデントの再発防止方法や解決までの時間短縮方法を記録し、把握しておきます。

あらゆることを記録する

インシデントのレベル、緊急度、報告者の地位に関係なく、常にすべてをできる限り詳しく単一のツールに記録します。すべてのインシデントを追跡できると、応答と解決までの時間が短縮します。また、ログを調整できる自動化されたシステムも存在します。

あらゆることを記入する

すべてを細かく記入することを徹底し、詳細を重視して、以降の調査、情報収集、レポート生成ができるようにします。

カテゴリを簡素化する

他の場所で分類できるか、現場で説明できる不要なカテゴリやサブカテゴリは使用しません。「その他」オプションを多用することも避けましょう。

チーム内の情報共有を維持する

プロセスを標準化し、チームの各メンバーが同じ手順に従い、各インシデントに適した対処方法を使用するようにします。こうすることで、品質が一貫します。

標準のソリューションを記録して使用する

ソリューションには、新しさと革新性は必ずしも必要ありません。既存のソリューションが有効なのであれば、それらを使用して手順を改善し標準化できます。

従業員をサポートする

あらゆるレベルの従業員に対して適切で一貫した方法でトレーニングを実施することは、企業にとって大きなメリットがあります。IT 部門以外の従業員にインシデント対応方法のトレーニングを実施すると、IT スタッフが高レベルのインシデントにより迅速に対応できるようになるという利点があります。適切なトレーニングを受けたチームは、コラボレーションやコミュニケーションも向上します。

重要なアラートを設定する

インシデント管理における最も重要な側面の 1 つは、不要な過負荷を避けることです。インシデントを見逃さず、応答時間を長引かせないために、イベントがどのようにカテゴリ化され、それらのカテゴリが何を意味するのかを慎重に計画します。

たとえば、表面的な兆候よりも根本原因分析を優先するなどの優先順位の階層を決定するのに使用される、サービスレベルインジケーターを最初に定義することから始めるのが良いでしょう。

チームでオンコールに備える

チームは、誰がいつインシデントに対処するかを話し合っておく必要があります。インシデント発生時に適切な専門知識を持つ人が対処できるようにするオンコールスケジュールをチームで作成し、さまざまなインシデントへの対応に追われる各従業員の状況に応じて調整します。

コミュニケーションの指針を設定する

効果的にコミュニケーションを取るための指針を作成することは、コラボレーションとチームの有効性に不可欠です。スタッフが使用すべきチャネル、チャネルのコンテンツ、コミュニケーションを文書化する方法を指針に設定します。

従業員に求められる対話とコミュニケーションの方法に関する標準が存在しない場合に、指針が不適切であると、対処時に不要なストレスや緊張が生まれます。コミュニケーションが適切に文書化されていると、チームは後で参照してコミュニケーションを検証し、情報を失うことなく必要な内容を次へ渡すことができます。

変更プロセスを簡素化する

個人が行うことができる変更のレベルとタイプと、誰から承認を受けなければならないかを設定します。システムや個人によっては、変更に関する承認や追加の確認を受ける必要が生じます。変更の手順を速やかに効果的に遂行できるように、変更を監督する経営陣が対応できる体制を整えておきます。

教訓でシステムを改善する

インシデントを検証し、インシデントの原因を評価します。そのインシデントに講じることができたであろう予防策と将来に起こるインシデントへの対策を見つけ出します。こうすることで、すべての文書化が完了し、責任とコンプライアンスに関する適切なトレーニングを必要に応じて実施できます。

問題とは、根本原因が不明な一連のインシデントのことです。インシデントとは、最適な機能を妨げる原因となるイベントのことです。問題管理では、サービスに影響する問題の根本原因を特定して、問題の再発を防止します。一方、インシデント管理は短期的な不具合に事後対応するアプローチです。インシデントが発生してもシステムは稼働を継続できますが、問題は長期的な傾向があり、インシデントを管理しても問題が必ずしも解決されるとは限りません。

インシデントは、機能不全や解決しなければならない課題の結果として生じるものであり、これらの課題はインシデント管理プロセスをトリガーします。要求は、アクセス、アイテム、機器など従業員が必要とするサービスのようなものです。

  • プロセスをセットアップし、ビジネス要件を満たす
  • プロセスに従って SLA を満たす
  • さまざまなレベルでチームを管理する
  • レポートを生成し、重要業績評価指標 (KPI) を維持する
  • 重大なインシデントの解決が必要なときに、エスカレーションを受ける
  • 他のチームと調整する

ServiceNow Incident Management は、サポートへの連絡や、問題の追跡と修正が簡単にでき、従業員の生産性と満足度を維持します。ユーザーは、セルフサービスポータル、チャットボット、メール、電話、モバイルデバイスを使用して、IT 部門とつながることができます。

IT エージェントの期待も高まります。機械学習システムがインシデントを適切な解決グループに自動的に割り当てて、迅速で効果的な解決を可能にします。問題解決専用のエージェントポータルは、必要な情報すべてを 1 つのビューに表示し、AI を活用して推奨ソリューションを即座に提示します。Major Incident Management 専用のポータルもあり、解決チームと利害関係者が集まり、サービスを復元して、速やかに解決できます。Mobile Agent には、IT 用のモバイルインターフェイスがあり、外出先でインシデントをトリアージ、対処、解決することができます。

さらに ServiceNow Incident Management は、24 時間のサポートを提供し、AIOps とシームレスに連携します。従業員はオムニチャネル通知を使用してインシデントを送信でき、サービスデスクの担当者はインシデント対応 Playbook からインシデント解決ワークフローを明確に確認できます。Visual Task Boards は直感的で効果的なコラボレーションを促進し、Configuration Management Database (CMDB) は単一の記録システムを作成して、各インシデント、問題、変更の要求に関連した影響をよく理解できるようにします。

ServiceNow Incident Management は Guided Setup を備えているため、迅速、簡単に展開できます。

サービスを迅速に復元

エージェントは、単一の IT プロセスプラットフォームを使用して、作業の管理とコラボレーションを実行できます。

従業員の生産性を向上

オムニチャネルセルフサービスと双方向コミュニケーションで、従業員がより多くの仕事を行えるようにします。

インシデント回避に貢献

セルフサービスポータルと高度な知能を備えたチャットボットが用意され、IT 部門を巻き込まずに、リソースを利用して自分の問題を解決できます。

エージェントの生産性向上

機械学習が組み込まれ、グループに適したインシデントが割り当てられるため、より迅速で完全な解決が可能になります。

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