チャットボットとは?

チャットボットは、よくある質問に答え、問題の解決時間を短縮し、ライブエージェントの負担を軽減することで、ユーザーを支援します。

チャットボットを利用したことがある人も多いでしょう。ほとんどの場合は Web サイト上に設置されている、地味で見過ごされやすいプログラムです。ユーザーがサイトを閲覧すると、画面の隅にメッセージウィンドウがポップアップし、挨拶と、質問にお答えしますというメッセージが表示されます。メッセージには親切そうなカスタマーサービス担当者やサポート担当者の顔写真が添えられていることもよくありますが、実際は、チャットの向こう側には誰もいません。これは顧客、従業員、そして企業にとって大きなメリットとなる可能性があります。

チャットボットは高度な AI プログラミングと機械学習によって、人間の会話を模倣することができます。また、ユーザーの要求を読み取り、処理し、実行することができます。その結果、信頼できるサポートをいつでも提供できる自動化されたソリューションとなっています。

よくある質問への回答や単純なタスクの処理ができる便利なソリューションを提供することで、企業はコスト削減と人間のエージェントを他のタスクに割り振ることが可能になるだけでなく、このプロセスにおけるカスタマーエクスペリエンスの向上も図れます。実際、最近の調査によれば、チャットボットとやり取りをした人の約 80% はポジティブな経験だったと答えています (出典:Uberall)。

チャットボットのメリットはこれだけではありません。さまざまなユーザーにとってのチャットボットのメリットを詳しく見ていきましょう。

チャットボットを使用する理由をまとめた図

顧客にとってのメリット

複雑な要求や解決が難しい問題の場合は、顧客は人間の対応を好みます。しかし、ほとんどの顧客は、信頼できるセルフサービスオプションも欲しいと思っています。問題が起きたとき、チャットボットのメッセージウィンドウに要求を入力すれば、すぐに回答を得ることができます。カスタマーサービスエージェントの対応を待つ必要もなく、ほとんど瞬時に問題が解決するのです。さらに、回答は事前にプログラムされて入念に確認されたものなので、経験不足のエージェントが担当して問題をうまく解決できないということが起きる心配もありません。

チャットボットはカスタマーエンゲージメントも向上させます。自動化されたエージェントが常にスタンバイしていてすぐに助けてくれる状況にあると、顧客がサポートを求めたり質問をしたりする頻度が上がります。同時に、企業はより積極的に顧客とやり取りができるようになります。かつては人間のエージェントの処理能力が限られていれば、企業は顧客からの問い合わせに答えることしかできませんでしたが、自動化されたエージェントやバーチャルアシスタントは直接顧客との対話を始めることができます。顧客に挨拶をしたり、サポートが必要ないか聞いたりすることのほかに、企業からキャンペーン、ガイド、チュートリアル、関連製品などの情報を提供することもできます。

ライブエージェントにとってのメリット

自動化されたサポート/サービスオプションとのやり取りを好む顧客が増えている一方で、ライブエージェントも同様にチャットボットの恩恵を受けています。これは、この効果的なチャットボットが、ライブエージェントに取って代わるものとしてではなく、顧客の要求への対応を支援するために設計されたものだからです。

同じ要求や問い合わせの対応に大半の時間を費やしているライブエージェントがいるなら、チャットボットを導入した方がいいでしょう。大量の緊急性が低い簡単なケースを自動化されたエージェントに回すことで、ライブエージェントはより重要な問題に対処することができます。また、ユーザーが人間のサポートを求めた場合、チャットボットはユーザーを適切なサポートエージェントにシームレスにつなげると同時に、収集した関連情報をそのエージェントに提供することができます。これによって、顧客は転送にかかる時間や手間に煩わされず、エージェントは顧客がすでに答えた質問を繰り返すことなく必要な情報を得られます。

チャットボットは社内でのビジネスソリューションにもなります。パスワードの再設定、システムステータスの確認、重要な社内ツールやデータへのアクセスなど、一般的なタスクの処理に自動化されたセルフサービスオプションを活用すれば、従業員の負担が減ります。

企業にとってのメリット

最もわかりやすいチャットボットのメリットは、カスタマーサービスの拡張です。顧客の要求をすべてライブエージェントに転送するのではなく、よくある問い合わせには自動的に対処することで、限られた人数のライブエージェントをより複雑なタスクに専念させながら、何千件もの問い合わせに答えることができます。

多数のサービスエージェントを雇用することなくカスタマーサービスを拡張できれば、コスト削減だけでなく運用効率の向上も実現できます。企業は人間のエージェントをより有効に活用でき、投資に対する見返りも増えます。また、チャットボットは基本的に自動化されたコンピュータープログラムなので、サポート時にユーザーデータを収集できるように設計するのも簡単です。このデータを分析することで、よりターゲットを絞ったメッセージングやより実用的なカスタマーインサイトを得ることができます。

データの収集と分析の成果として、リードの特定も挙げられます。チャットボットは、対話から引き出した情報を利用し、ほかの顧客データや人口統計データと相互参照することで、どのリードが顧客になる可能性が高いかを判断するのに役立ちます。その結果、営業チームはフォローアップする価値がある有望な見込み客の情報を得られます。

まとめると、チャットボットを活用することで、従業員と顧客は重要な情報やサポートにアクセスしやすくなります。そして顧客と従業員に必要なリソースが行き届くことによって、企業にも必ずメリットがあります。

ほぼすべての業界の企業や機関がカスタマーサービスプロセスの簡素化のためにチャットボットを使用しています。チャットボットにはさまざまな種類がありますが、専門家の大半は「宣言型」と「対話型」という 2 つのカテゴリに大別しています。

宣言型

Web サイトで目にすることが多い質問/回答のチャットボットは、通常は「宣言型 (タスク指向型)」チャットボットに分類されます。ルールプログラミング (ユーザーの問い合わせに自動応答する既定の if/then 条件文) が組み込まれ、ユーザーの要求に応じてソリューションに誘導するように設計されています。回答に対話的要素を加えるために自然言語処理 (NLP) や機械学習 (ML) が組み込まれていることもありますが、そこまで高度ではないインタラクティブ FAQ プログラムにすることが多いようです。言い換えれば、宣言型チャットボットは情報検索プログラムの役割を持つことが多いのですが、人間と同等の込み入った対話をするには不十分です。 対話型チャットボットほど高度ではないとはいえ、宣言型チャットボットでも非常に満足度の高いカスタマーエクスペリエンスを実現できます。ユーザーにサービスチャネルをいくつも介させることなく、信頼できるソリューションを効率よく即座に提供できるからです。

対話型

「対話型チャットボット」は、宣言型よりも高度な (そしてはるかに普及していない) チャットボットであり、「デジタルアシスタント」の役割を担うことができます。こうしたデータ駆動型・予測型のチャットボットは情報が多くなるほど適応し、ユーザーの過去の行動、ユーザープロファイル、さらには文化的意識にまで基づいてカスタマーエクスペリエンスをパーソナライズできます。Amazon の Alexa、Apple の Siri、そして Google アシスタントはすべて対話型チャットボットの例です。 対話型チャットボットは高度な NLP や ML を自然言語理解 (NLU)、予測インテリジェンス、データ分析とともに活用し、ユーザーの好みや傾向を効率的に「学習」して、回答やその他のやり取りを個人に合わせてカスタマイズします。たとえば、ユーザーがノートパソコンのアップデートを求めた場合、対話型チャットボットはユーザーがどのデバイスを指しているのかを理解します。また、単純な質問への回答や要求への対応だけでなく、ユーザーのニーズを予測したり、製品の購入を勧めたり、自分から会話を始めることができます。よりリアルで人との会話に近いやり取りをすることで、顧客と良好な関係を築きながら、いつでも利用可能で常に信頼できるカスタマーサポートを提供できます。

チャットボットとのやり取りは非常に複雑になる場合もありますが、基本的には、2 つの主なタスクを実行します。「ユーザー要求の分析」と「要求に対する応答」です。

ユーザー要求の分析

チャットボットがユーザーに価値を提供するためには、まずユーザーの意図を特定し、関連するエンティティを抽出する必要があります。たとえば、ユーザーが「営業時間はどこで知ることができますか?」と聞いた場合、オフィスの営業スケジュールを画面上で見たいのであって、オフィスの住所を知りたいわけではありません。チャットボットは、言葉の中から特定のキーワードだけでなくその他の重要な指示も見つけ出し、要求に込められたニーズを正確に見極める必要があります。ユーザー要求を正確に分析し特定することが極めて重要です。

要求に対する応答

チャットボットが価値を提供するための 2 つ目のタスクは、要求に対する応答です。ユーザー要求に基づく正確で適切な応答を見つけるか、または作成します。応答には以下のようにさまざまな種類があります。

  • 既定の文章による回答
  • 該当するサポートページへのリンク
  • ナレッジベース記事の引用 (またはリンク)
  • ユーザーデータに基づく状況に合わせた情報
  • 企業のシステムから検索したデータ
  • 指定のワークフローで実行されるアクション
  • ユーザーをサービスカタログに誘導
  • ユーザーの意図をより明確にするための質問

ユーザーが問題の解決を求める場であればどこででも、チャットボットは価値あるサービスを提供できます。このため、あらゆる形態、規模、業界の企業でチャットボットは利用されています。ビジネスでの使用事例は、利用するユーザーによりさまざまです。イベントのチケット予約から、返品・交換の処理、顧客情報やフィードバックの収集まで、ビジネスでのチャットボットテクノロジーには無限に近い用途があります。

とはいえ、特に多い用途は 3 つあり、「コールセンターのサポート」、「企業のサポート」、「デジタルアシスタントサービス」となっています。

コールセンターのサポート

コールセンターへの要求は経験豊富なライブエージェントを必要とするものも多いですが、チャットボットは問い合わせのほとんどを効率的に処理できます。これにはよくある質問への回答や既知の問題に対するソリューションの提供だけでなく、予約の設定、以前のケースへのフォローアップ、パスワードの変更なども含まれます。コールセンターチャットボットを活用することで、企業はサポートオプションの有効性とアクセシビリティを改善できます。

企業のサポート

顧客向けのチャットボットはよく知られていますが、従業員向けのチャットボットも同じくらい有益です。チャットボットテクノロジーを企業のバックエンドシステムに組み込むことで、従業員による社内タスクの実行をサポートできます。これには、企業ツールの検索と使用、重要な顧客やベンダーの連絡先情報へのアクセス、企業方針に関する確実な情報の提供などが含まれます。

デジタルアシスタントサービス

前述した通り、チャットボットテクノロジーはデジタルアシスタントプログラムに不可欠です。デジタルアシスタントは進化し学習し、よりパーソナライズされた体験をユーザーに提供します。効果的なデジタルアシスタントは、ユーザー要求に対して回答や関連情報という形でのソリューションを提供するだけでなく、発注、製品レコメンデーション、イベントの予約などのより踏み込んだやり取りも支援します。ユーザーがデジタルアシスタントとやり取りをすればするほど、より自然でパーソナライズされた体験が提供されるようになります。

  1. 待ち時間の短縮
    チャットボットはほぼ瞬時に問題への回答やソリューションを提供できます。顧客をサポートする場合でも従業員をサポートする場合でも、待ち時間が短くなりライブエージェントの介入の必要性が減るということは、ユーザーは最小限の時間や手間で必要なサポートを受けられるということです。

  2. 問題の解決
    チャットボットは回答やソリューションをあらかじめ用意しているため、一部のライブエージェントよりも正確かつ単刀直入でわかりやすい場合があります。効率よく迅速に問題を解決する信頼性の高いサポートは、顧客の負担も従業員の負担も軽減します。

  3. 問い合わせの転送
    チャットボットを企業全体に組み込めば、ユーザーのニーズを迅速に特定した後、サポートの提供に最適なエージェント、部署、リソースに転送することができます。

適切なチャットボットソリューションは、コスト削減、エージェントの生産性の向上、カスタマーエクスペリエンスや従業員エクスペリエンスの向上につながります。ServiceNow 仮想エージェントは、AI を利用したエンドツーエンドのインテリジェントな対話によって、チャットボットの機能を最適化します。

仮想エージェントは ServiceNow ワークフローに合わせた自然言語理解 (NLU) を使用しており、一般的な人事、IT、カスタマーサービスのシナリオ用に構築済みの対話テンプレートでサポートされています。さらに、NLU なしの宣言型チャットボットをユーザーが簡単に作成できる ServiceNow ツールによって、シンプルなチャットボットを求めている企業のニーズにも対応しています。仮想エージェントは、高度なグラフィカルインターフェイスとドラッグアンドドロップオプションを採用し、多様なチャネルやツールとシームレスに統合できるように設計されているため、効果的なチャットボットを企業全体に簡単に導入できます。

ServiceNow 仮想エージェントのチャットボットソリューションの詳細を確認し、社内外のユーザーが切望する体験を提供しましょう。

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