ビジネスプロセスの自動化とは?

ビジネスプロセスの自動化は、オペレーション効率を向上させ、顧客満足度を高めます。

プロセスの自動化は新しいビジネスアプローチのように思えますが、実際は古くから存在し、19 世紀に産業革命が到来すると、自動プロセスにより工場の生産性が高まりました。後に 1930 ~ 40 年代になると自動フィードバックコントローラーが組立ラインに導入されています。1980 年代以降は、ロボットシステムがさまざまな産業の生産方式に変革をもたらしました。

しかし、プロセスの自動化が今日のように IT 分野に展開され始めたのは 2000 年代になってからのことです。多様な新しいツールやソフトウェアアプリケーションの普及とともに、プロセス自動化は現代ビジネスの不可欠な要素となっています。

そもそもビジネスプロセスの自動化とは何でしょうか?

基本用語としてのビジネスプロセス自動化 (BPA) は、高度なテクノロジーを使用してプロセスやワークフローに伴う反復タスクを自動化し、効率性の向上、コストの削減、従業員と顧客の満足度を向上させることを意味します。

現在、およそ 97% のエンタープライズ IT 分野の意思決定者が、ビジネスプロセスの自動化は不可欠と考えています。さらに今後 24 か月でビジネスプロセス自動化は 58% 拡大すると予測されます。

自動化ソリューションが幅広く使用され、現代のビジネス環境で使用されるプロセス数の増加を考えると、「ビジネスプロセス自動化」という用語はいくらか曖昧なところがあります。これは、プロセス自動化で使用可能なアプリケーションが、ツールの機能によってのみ限定されることが理由です。ここでは、いくつかのプロセス自動化の使用例を紹介します。

購入注文

購入注文リクエストの作成は時間がかかる反復作業であり、多くの場合に複数の承認が必要で、より正確な情報を必要とします。ビジネスプロセスの自動化で注文リクエストのエラーを排除し、承認プロセスを効率化することで迅速な承認と確実な成果が得られます。

従業員オンボーディング

従業員のオンボーディングプロセスは組織ごとに異なる形をとりますが、ほとんどの場合、多くの基本タスクや情報フォームが存在します。プロセス自動化により関係者は迅速にタスクを進め、全員が適切な情報にアクセスして、オンボーディングプロセスの進捗を明確に把握できます。

ユーザーアカウントプロビジョニング

新しい従業員が増え、現在の従業員の責務が拡大し変化する中で、全員が適切なシステムとリソースにアクセスできるようにすることは負担の大きな作業です。アカウントのプロビジョニングプロセスを自動化することにより、適切な従業員に適切な権限を与え、関連するユーザーを常に最新の状態に維持できます。

レポート作成と配布

自動のレポート作成ソリューションは、モニター/分析ツールと連携して自動で重要なレポートを作成、配布します。そのため、従業員は他の業務に時間を使えるだけでなく、レポートの作成時間やヒューマンエラーも削減できます。レポートの作成と配布は数分で完了し、手作業で長時間を要することもありません。

スプレッドシート管理

レポートの作成と同様、スプレッドシートの手入力も手間のかかる面倒なプロセスです。BPA は時間のかかるフォーマット設定、コピー & ペーストなどを処理するので、正確なスプレッドシートを必要なときに利用できます。

イベントログ監視

自動化の導入によりイベントログの詳細な監視が行えます。問題の発生時に関係者に通知し、問題やエラーによっては自動で解決することも可能です。

以上は、組織におけるビジネスプロセス自動化の事例の一部にすぎません。

ビジネスプロセスの自動化により、従業員の業務を効率化し、自動化できない他のタスクに人材を振り分け、生産性を向上できます。また、効果的・効率的なプロセスを実現しながら、エラーを大きく減らすことができます。企業はコストを削減し、優れた顧客サービスに注力できるようになります。

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先述のとおり、基本的にどの部署やシステムでもさまざまなタスクのプロセスを自動化できます。それでも、特に自動化のメリットが大きいプロセスは存在します。自動化を導入する際は次の要素を考慮する必要があります。

  • 作業量
    必要とされる一連の作業がどれだけ複雑かを考えます。多くの手作業が含まれるプロセスでは人手に頼る必要がなくなるので、自動化による大きなメリットが得られます。
  • 関係する人員数
    プロセスにさまざまなレベルの多くの従業員が関わる場合、BPA はすべての作業を円滑に進める手助けとなります。特定の業務を自動化し、日常業務から従業員を解放することにより、効率性とスピードが高まります。
  • 時間の重要性
    企業が業務を自動化して効率化できるかは、納期への対応に大きな違いをもたらします。重要ステップの自動化は、ターンアラウンドタイムの短縮につながります。
  • 他のプロセスへの影響
    他のプロセスやシステムと相互に関連しているプロセスは、正確性が大きく影響します。自動化によって適切なデータを確実に処理できるため、従属するプロセスは適切に動作するのに必要な情報を取得できます。
  • 可視性のニーズ
    他のプロセスやシステムと相互に関連しているプロセスは、正確性に大きく依存しています。自動化によって適切なデータを確実に処理し、正確な情報をもとに従属するプロセスを正しく機能させることができます。
  • コンプライアンス要件
    法規制には常に慎重な対応が必要です。プロセス自動化は最新の規制変更に対応し、違反による罰金を避けるために有用です。

ビジネスプロセスの自動化は、新規のシステム構築と異なり、効果的に自動化を進めるためのツールが多く存在します。しかし、プロセス自動化ソリューションを最大限有効に活用するためには、アプローチを慎重に考えなければなりません。以下に、ビジネスプロセス自動化のベストプラクティスをいくつか紹介します。

  • 自動化を導入する前に、対象とするプロセスを詳細に検討します。関連するタスク、期限や時間の制約をチャートにまとめ、タスク遂行の責任者を記します。
  • 自動化プロセスの目標を明確に設定します。これらの目標には、マンアワーの短縮、一貫性の向上、コストやオーバーヘッドの削減、運用の安定性などが含まれます。ここで重要なことは、目標を明確にして定量化できるメトリクスを含めることです。これにより自動化のための業務を適切に管理し、その有効性を正確に評価することができます。

  • 成果の測定にあたっては、BPA のメリットが得られるまでに時間がかかることを考慮します。短期のアジャイルアプローチは随時コースの修正が可能ですが、長期的展望があると自動化ソリューションの投資回収期間を適切に設定できます。

  • ツールへの再投資を避けます。既製のツールでビジネスプロセス自動化の有効な活用が図れます。既製ツールに不足があれば、ユーザーフォーラムで解決策を探してください。利用可能なツールを使用することで投資が抑えられます。

  • 従業員に向けてプロセス自動化ソリューション活用方法のトレーニングを実施します。大規模導入にあたっては、チームが別の業務手法に慣れていると困難な場合があります。プロセスの自動化で得られるメリットを周知し、順応するための期間を確保するようにしてください。

ビジネスプロセス自動化の導入には、3 つの基本的なオプションがあります。

  • プロセス自動化のカスタムソリューションを新規に構築
  • ポイントツーポイントのインテグレーションを使用して特定の業務プロセスのみを自動化
  • 既製のビジネスプロセス自動化プラットフォームを使用

社内で作成するカスタムソリューションは自動化の機能を決める自由度が増しますが、IT チームによる構築とメンテナンス工数が大幅に増えます。プロセス自動化の完全カスタムソリューションは通常、API を使って最新システムに接続することができない複雑なレガシーシステムを持つ組織で採用されます。

ポイントツーポイントのインテグレーションはカスタムソリューションよりもコストを抑えられ、自動化の対象を選ぶことができますが、多くの場合に習得が難しく、メンテナンスや修復が難しい状況に陥りがちです。さらに、このような BPA にはユーザーガイドがなく、セットアップの担当者が退職すると、長期的にシステムを機能させることができなくなります。

プロセス自動化ツールへの投資は、確実でコスト効率のよいソリューションを利用でき、カスタマイズも可能です。チュートリアルやトレーニング、ツールプロバイダーからのサポートも得られ、自動化ソリューションの導入を簡単に完了できます。

ビジネスプロセス自動化ソリューションを正しく選択することで、次のような多くのメリットを得られます。

  • 生産性の向上
  • プロセスの透明性向上
  • 効果的なリアルタイムモニタリング
  • ターンアラウンドタイムの短縮
  • 手作業に伴うコストの削減
  • 効率的な従業員リソースの活用

さまざまな BPA ツールの選択肢を検討する際、すべてのソリューションが同じ機能を持つわけではないことに注意が必要です。以下に、効果的な BPA ツールを選ぶためのいくつかの条件を挙げます。

  • 使いやすさ
    BPA ツールはユーザーに熟練を求めてはいけません。従業員が少しのトレーニングで使えるようになるツールを選ぶようにしてください。
  • 分析とレポート
    付属する分析/レポート作成オプションにより主要 KPI の追跡ができるため、ビジネスプロセスの問題が発生した個所を見つけ、自動化の候補をあげて優先付けし、自動化ソリューションの有効性を評価することができます。
  • インテグレーション
    プロセスの自動化は多くの場合、さまざまなソフトウェアやアプリケーションとの密接な連携が求められます。大がかりな回避策を必要とせず、効果的に統合できるツールを選んでください。
  • モバイル機能
    通常のビジネスにモバイルデバイスを活用するユーザーが増えている今、BPA もモバイルに対応する必要があります。ツールからのアクセスがデスクトップに限られると、完全導入が難しくなることがあります。
  • 先行投資
    BPA ソリューションは確実な投資効果が得られますが、それでも正確な予算見積りが必要です。オプションをよく調べ、予算増につながる隠れたコストを確認し、さまざまなライセンスオプションを検討してニーズに適した選択をしてください。
  • 拡張性
    現在業務に使用しているツールは、5 年後にはニーズの複雑化や、作業負荷の増加に対応できないかもしれません。拡張が可能で、ビジネスとともに成長できる BPA を選ぶ必要があります。
  • ビジュアルプロセスモデリング
    コーディングやソフトウェア設計の高度な知識が求められるプロセス自動化ツールは、ユーザーが開発者に限定されてしまう可能性があります。ビジュアルプロセスモデリングを採用したローコードオプションは、グラフィカルインターフェイスを搭載しているため、コーディングの知識がないユーザーでも自動化環境を構築でき、IT チームの負担を軽減できます。ローコードのビジネスプロセス自動化アプローチについては、Now Platform App Engine で紹介しています。

BPA はシンプルなシステムとワークフローを実現し、コスト削減、正確性と可視性の向上、従業員リソースのアサイン最適化など、組織に大きなメリットをもたらします。ビジネスプロセスの最適化をお考えなら、ServiceNow が次のステップをお手伝いします。

Now Platform によるビジネスプロセスの自動化とは

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