通信業界におけるデジタルトランスフォーメーションのベストプラクティス


通信業界におけるデジタルトランスフォーメーションのベストプラクティス

私はもともと「顧客サイド」にいた通信業界の専門家として、業界各所の CEO や CIO と定期的にオープンな話し合いを持てるという恵まれた立場にあります。

私たちは、通信業界が直面している問題や課題、そして変革と成長のための素晴らしい機会について話をします。

当然のことながら、ここ数か月で話題にあがった主なトピックは、COVID-19 パンデミックによる影響とその教訓についてでした。ロックダウンが解除されればトピックの焦点も変わるでしょうが、そこは依然として未知の領域であり、業界が前進するための最善の方法についてはまだ答えが出たわけではありません。

この問題についての業界の見解を知るため、先日、EMEA 地域 の大手通信業者 5 社の担当者と円卓会議を開きました (もちろん、オンラインです)。この会議では、デジタルトランスフォーメーションの経験談や、COVID 後の戦略を形成するうえでデジタルトランスフォーメーションが果たす主要な役割について、各社からさまざまな意見を聴くことができました。

この会議で得られた重要なポイントと、通信企業で対障害弾力性のある効果的なデジタルトランスフォーメーションの実現に本当に必要なものに関する結論を以下にまとめました。

人々の力
可能な限り最適なカスタマーエクスペリエンスを生み出すには、自社の従業員エクスペリエンスの見直しから始めることが必要であると全員が同意しました。従業員が満足して充実していれば、生産性が高まり、コラボレーションも進み、変化を受け入れる可能性も高くなります。従業員の満足度を向上させることは、どの通信企業に共通する最も重要な目標の 1 つです。

また、単に技術プラットフォームを導入するだけでは、効果的な変革を実現することはできないという点でも全員が同意しました。ツールだけでは変革プロジェクトを成功させることはできません。それを成功させるのは人々です。そこで、人々に変革に乗ってもらう方法を以下の 2 つのレベルで話し合いました。

1. エグゼクティブレベル:ビジネスにおいて変革を成功させるためには、経営幹部からその場限りの支持や承認を得ることではなく、賛同を得ることが欠かせません。  そのためには、賛同を得られるような熱意が感じられるプロジェクトでなければなりません。

予算、実施時期、ROI の問題といったプレッシャーや課題は常に出てくるものの、プロジェクトに対して経営幹部が積極的に賛同すれば、従業員が積極的に関与する可能性も高くなります。

2. シニアマネジメントレベル:デジタルトランスフォーメーションプログラムに対する経営幹部レベルの「賛同者」の 1 つ下のレベルには、シニアマネジメントの意思決定者がいます。このグループは、各チーム全体に浸透させる共通の達成可能な目標を明確にする必要があります。明確な目標がなければ、プロジェクトが制御不能になるおそれがあります。マネージャーは、望まれる結果の明確なビジョンと、会社がそこに到達する手段の現実的なアイデアを持っている必要があります。

明確なメッセージを送る

プロジェクトのロードマップが決まれば、次のステップはその実行です。プロジェクトを成し遂げるために、どのような方法でチームを動員するのかを考える必要があります。これは常にコミュニケーションから始めなければなりません。

円卓会議の共通のテーマは、プロジェクトの実施理由とデジタルトランスフォーメーションの重要性について、チームや従業員に明確なミッションを提示することがいかに難しく、それでいて必要不可欠であるかということでした。ビジネスに関係するすべての人が、関与を求められるよりも先に、目的、メリット、プロセスについて理解しておく必要があります。

シニアマネージャーと経営幹部は、この時点でもプロジェクトに対する抵抗を取り除くために介入する必要があります。

プロジェクトに対する正当な懸念には必ず対処し、不安はチーム内に蔓延しないようできるだけ早く取り除く必要があります。提起された問題は公開し、協調して話し合い、問題にどのように取り組み、克服するのかについて明確なメッセージを発信する必要があります。

受け入れを可能にする
グループの全員が同意したもう 1 つの点は、より長期的なビジネス変革のプロセスに時間とリソースを投資することが不可欠であるというものでした。新しいプロセスやプラットフォームを導入すれば誰もがすぐに満足して信頼を寄せてくれると期待するのは現実的ではなく、正しくもありません。

今後の展望、変革の進め方、質問や懸念についての問い合わせ先を確実に周知する上で、トレーニングや早い段階からの関与、そして透明性が重要になります。

特に通信業界に関しては、デジタルトランスフォーメーションプロセスに代理店を関与させることの重要性について話し合いました。この業界における B2B 関係は代理店に依存しているため、変更が行われるたびに、代理店にも変革の一端を担っていると感じてもらう必要があります。

そのためにはいわば代理店の代理人として、新しいプロセスへの移行に必要なサポートを提供する必要があります。

注文の回復
円卓会議で出てきた話題の中でも、私にとって目新しく興味をそそられたものの 1 つが、B2B 顧客向けの注文管理の概念でした。ロックダウン中、私たちの多くが注文した商品の到着を心待ちにするという習慣ができたのと同じように、通信会社に大口の注文をした事業顧客もやきもきしながら待っているはずです。

たとえば、ある銀行で行員用に大量の電話機を注文する場合には、商品の到着日、必要な設定、利用可能なサポートを知る必要があります。そのため、スマートシステムを使用して注文の処理状況をカタログ化し、顧客に通知するという注文管理の概念に注目が集まっています。

最新の注文状況を顧客に通知するシンプルな自動メッセージは、顧客に安心感を与えるだけでなく実用的でもあり、顧客側で配送物の受け取りと処理に必要な手配を行うことができるため、最適なエクスペリエンスを提供することになります。

B2B のコンシューマライゼーション
この最後の重要ポイントは、私にとって重要な意味を持つ別のトピックについての話し合いにつながり、通信事業の専門家の間でますます議論されるようになりました。パーソナライズと自動化はここしばらく、消費者向けのカスタマーサービスで主要な役割を果たしてきました。B2B の世界でも同じことをするべきです。

先程の注文管理の例で言えば、私たちは消費者として、似たような注文情報が小売店や配達員から受け取れることを知っています。この点ではフードデリバリーサービスが創意工夫をこらしています。 たとえば、注文の状況を準備中、調理中、配達中など、アニメーションを使った図でわかりやすく示します。このレベルのパーソナライズやイノベーションは、注文プロセスに喜びや期待感をもたらします。

このような独創性から生まれたメリットを、企業でも B2B オペレーションに取り入れる時が来ているのではないでしょうか。個人としての立場、あるいは職業人としての立場のどちらで活動していても、私たちはみんな結局のところ「人」です。

通信やその他の専門業界は消費者向けサービスの例を見習い、パーソナライズされたデジタル化によるイノベーションを実装することでカスタマーエクスペリエンスを変革する必要があると、私は確信しています。

通信業界は急速に変化する競争の激しい業界であり、成長と成功を目指すには、これまで以上に適応と学習が求められます。

この円卓会議を主催し、参加できたことを光栄に思います。デジタルトランスフォーメーションの取り組みを学び、発展させ、成功させるために、通信業界全体でさらなる議論が促進されることを楽しみにしています。

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